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東京地方裁判所 昭和49年(特わ)1438号 判決

被告人

1.本店所在地

東京都文京区白山五丁目三〇番一三号

商号

株式会社 三経

代表者

代表取締役役 山根三雄

2.本籍

東京都品川区南品川一丁目一八番地

住居

東京都文京区白山五丁目三〇番一三号

職業

会社役員

氏名

山根三雄

年令

五〇年 大正一三年九月九日生

被告事件

法人税法違反

出席検察官

寺西輝泰

出席弁護人

後藤信夫

後藤徳司

遠藤光男

主文

1. 被告人株式会社三経を罰金九五〇万円に、

被告人山根三雄を懲役八月に、

それぞれ処する。

2. 被告人山根三雄に対する本裁判確定の日から二年間

右刑の執行を猶予する。

理由

(罰となるべき事実)

被告人株式会社三経(以下被告会社という)は金融ならびに雑貨販売を目的とする資本金八〇万円の株式会社であり、被告人山根三雄は被告会社の代表取締役として右会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人山根三雄は被告会社の業務に関し法人税を免れようと企て、仮装取引により利益を圧縮する等の方法により所得を秘匿したうえ、

第一、昭和四五年八月一日より同四六年七月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が別紙第一記載のとおり二九八九万四八九九円あったのにかかわらず昭和四六年九月二七日東京都文京区春日一丁目四番五号所在の所轄小石川税務署において同税務署長に対し、所得金額が六〇五万四八三〇円であり、これに対する法人税額が一九六万二三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同会社の右事業年度の正規の法人税額一〇七二万三五〇〇円と右申告税額との差額八七六万一二〇〇円を免れ、

第二、昭和四六年八月一日より同四七年七月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が別紙第二記載のとおり一億四一九四万八九九七円あったのにかかわらず、昭和四七年九月二八日前記所轄小石川税務署において同税務署長に対し、所得金額が五三二四万一六七四円でありこれに対する法人税額が一九三〇万三五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額五一九〇万三三〇〇円と右申告税額との差額三二五九万九八〇〇円を免れたもの(税額の算定は別紙第三の1、2のとおり)である。

(証拠の標目)

1. 検察官、弁護人の共同作成にかかる合意書面一通

2. 被告人山根三雄の当公判廷における供述

3. 同被告人の検察官に対する供述調書

4. 同被告人に対する大蔵事務官の質問てん末書一〇通

5. 被告会社に関する登記簿謄本

6. 押収にかかる法人税確定申告書二通(昭和四九年押第一六八一号の一、二)

(法令の適用)

1. 該当罰条

判示第一、第二の各所為

被告会社につき法人税法一五九条、一六四条一項

被告人山根につき同法一五九条(懲役刑選択)

2. 併合加重

被告会社につき刑法四五条前段、四八条二項

被告人山根につき刑法四五条前段、四七条本文、一〇条

3. 執行猶予

被告人山根につき刑法二五条一項

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 池田真一)

別紙第1

修正損益計算書

自昭和45年8月1日

至昭和46年7月31日

〈省略〉

別紙第2

修正損益計算書

自昭和46年8月1日

至昭和47年7月31日

〈省略〉

別紙第3の1

法人税額計算書

法人名

株式会社 三経

事業年度

自 昭和45年8月1日

至 昭和46年7月31日

〈省略〉

別紙第3の2

法人税額計算書

法人名

株式会社 三経

事業年度

自 昭和46年8月1日

至 昭和47年7月31日

〈省略〉

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